”ナショナル・シアター・ライブ”

 

イギリス、ロイヤル・ナショナル・シアターが、ということで、わたしにできることは都内の映画館に足しげく通い、ラインナップを見に行くことだけ。

1作品につき、3000円と普段の映画上演を想像しては驚く価格かもしれませんが、海を渡ってステージを見に行くことを考えたら、アンビリーバボウの一言です。

今年の中盤に企画を知り慌てて、池袋シネ・リーブルでアンコール上映された『ザ・オーディエンス』『欲望という名の電車』TOHOシネマズ六本木で『宝島』を観ました。『スカイライト』で4作目になります。

見逃した『フランケンシュタイン』や『二十日鼠と人間』なども口惜しいですが、『スカイライト』は、吉祥寺オデオン2015年10月23日(金)まで18:40~上演中です。観ようか迷っている方にはぜひ、とおすすめします。

 

吉祥寺オデヲン : JR吉祥寺駅東口徒歩1分 ( 総座席数719席 )

ここからもネタバレなしですが、ちょっとずつ説明など。

ナショナル・シアター・ライブ『スカイライト』

第69回トニー賞でリバイバル演劇作品賞を受賞した作品。 『スカイライト』は会話劇です。(同年、渡辺謙主演の『王様と私』はリバイバル・ミュージカル作品賞受賞!)

 

 Skylight

 

登場人物は3人。キャリー・マリガン演じるキーラ、ビル・ナイ演じるトム、そしてマシュー・ビアード演じるエドワード。彼らの関係性が徐々につかめてくると、今度は何かを見つけたい欲に駆られますが、それはたぶん形のない愛の姿を探しているのかな、とポエティックなことを思います。

夜明けにやってくる切なさ。

観終わったあと、『スカイライト=skylight』を「夜明け」の意味だと感じました。本当の意味は「天窓、明り取り」。

舞台セットは団地の窓が見えます。

このへんを振り返ると、やっぱり1幕最後のキーラの表情が思い出されて涙腺が緩むのですけど、2部の顛末にまたうるうるきます。

 


NTL Skylight - YouTube 

 

キャリー・マリガン

こないだのニュース。

映画『わたしを離さないで』でも美しい泣顔を見せていましたが、あんな風に泣ける女性に憧れています。「ああ、わたし今、泣くわ」って心と会話して、涙を流すまでの間とか。それに、どんな言い合いをした後も、あっけらかんとした表情でトムの話に聞いているので彼女のことが好きにならずにいられません。 

ビル・ナイ

ビル・ナイの独特な魅力が、物語そのものを身近なものにしてくれます。よく動き、よく話す、そしてチャーミング。女心をくすぐってきたんだろうなあ。あの指の癖は、本人のものみたい。それがまた。

ロンドンの人びと

 イギリスの階級差ついては説明なしに出てくるのですが、そのことは六嶋由岐子『ロンドン骨董街の人びと』で知りました。「なんでこんなところに住んでいるんだ」と話すトムとエドワードのセリフは、暖房の効かない部屋という表面的なものだけではないはず。

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料理を作って、食べる

 『スカイライト』ではナポリタンを調理するシーンが登場します。なんとなく、食べ物を媒介にしてコミュニケーションするのは、世界共通の認識ごとがあります。食べ物を象徴に主人公の気持ちと『スカイライト』を語れてしまいそう。

これから観る方は食べ物との関係に注目するのもありかも。

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最後に

 いろいろ考えていたら、長くなってしまいました。さて『スカイライト』観てもらえそうですか。NLTが2016年以降も続くように、今までみた作品も順々に感想を残しておきたいと思います。